はっぴ本誕生秘話 第2話


〜席次表って無駄なんじゃないの?〜



私はその疑問の答えを聞きたくて友人に電話をしました。

・席次表をクシャクシャにしたお詫びをする
・席次表にどれだけの費用がかかったのかを聞く
・根本的な疑問を投げかける

今思えばよくぞ聞けたと思いますが、探究心・好奇心が先行していました。

橋本 おめでとう。この前はありがとう。
友人 いやいや、こっちこそありがとう。

と挨拶もそこそこに。

橋本 結婚式の受付でもらった、みんなの席が載ってる紙あるやん。
友人 あぁ、席次表ね。どうしたん?
橋本 手提げ袋の底でクシャクシャにしてしまったんやけど・・・
友人 まじで!?それ1000円するんやぞ!!大切にしてくれよ・・・

びっくりしました。

多少お金はかかっているとは思っていましたが、正直言って1000円もするとは思っていませんでした。
友人の結婚式は100名規模でしたので、「10万円」をこの席次表に使った計算になります。

「ぶっちゃけ、席次表って必要?」
「大きいポスター貼ればいいやん。」
「これみんな家帰ってからどうしてるの?」
「お金かかり過ぎじゃない?」

今でこそ結婚式に長年携わっていますので席次表の必要性、理解しています。

しかし、当時は無知な若造。
しかも、相手は友人。

思ったことをストレートに言えたんです。

そうなんです。
根本的な疑問は「無駄なんじゃないの」ということです。

友人は「フゥ」と溜息をついてこう答えました。
要約するとこうです。

・捨てられるだろうけど、おもてなしだから必要。
・出席者同士のコミュニケーションのためにも必要。
・席次表がないと両親が挨拶にいけないから必要。
・隣の人が誰なのか分からなくなるから必要。
・ポスターなんか貼ったら出席者に迷惑がかかって不親切。

恥ずかしかったです。
私は出席者のことなんて全然考えていなかったのです。
そして、結婚式がどういうものかを知らなかったのです。

全てが自分本位。
しかし、席次表が捨てられている現状も知りました。

友人へ改めてお詫びをし、「ありがとう」を伝えて電話を切りました。

席次表の必要性を知りました。
なくてはならないものだと。
でも捨てられている。

そこでまた、新たな思いがふつふつと。

「捨てられず残してもらえるものが作れないか?」
「せっかくお金をかけるんだったらもっと何か出来ないか?」
「せっかく作ったものが捨てられてしまうのは嫌だ」
「とにかく何か出来ないか・・・」

デザインしたものが一瞬の為に、そして捨てられている現状がどうしても許せなかったのです。

パセリは食べ物なのになぜ飾りで使われているの!?
といった外国人の怒りに似ています(笑)。

怒りにも似た思いが駆け巡りました。
そして、頭をひねりました。

いや、ひねっていないのかも知れません。

ひねろうとした、その瞬間でした。

目の前のあるものを見て、体中に電気が走りました。

「これだ!!!!!」